人工股関節置換術を理解する

股関節に深刻な疾患があると、痛みや可動域の制限、QOL(クオリティオブライフ)の低下などを招くことがあります。

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はじめに

病態には関節リウマチ、変形性関節症、骨壊死、外傷性関節炎などあり、さまざまです。重要なことは、運動機能を回復し、痛みを取り除き、日常生活に戻れるようにする方法を見つけることです。そのため、主治医よりマイクロポート・オーソペディックス社のインプラントを使用した人工股関節全置換術を勧められることがあります。私たちは、人工股関節置換術を受けることが、患者さんにとって重要な選択であることを理解しています。ここでは、患者さんがより良い人生を送るために、私たちのインプラントがどのような解決策を提供できるかを知っていただくための情報を発信しています。

股関節の解剖について

股関節は、体の中で最も柔軟で自由に動く関節です。股関節はそれぞれ、後ろ、前、横方向、さらには回旋など、通常、一日の間に数え切れないほどの動きをします。これは、太ももの骨(大腿骨)の先端にあるボール(大腿骨頭)が骨盤側のソケット(寛骨臼)にはまるボール&ソケット式の関節構造のためです。ボールとソケットの表面は、軟骨という滑らかでほとんど摩擦のない素材で覆われており、これが骨を保護しクッションとなって、より動きやすくしています。

また、関節は少量の液体で潤滑されているため、生涯を通じて摩耗や痛みを最小限に抑えることができます。股関節は靭帯という丈夫な組織で支えられており、関節が外れるのを防いでいます。股関節が完全に機能するかどうかは、骨から筋肉、腱、靭帯、神経に至るまで、相互に関連する多くの部分の連携によって決まります。

人工股関節置換術を理解する 03 01 Hip anatomy 1

なぜ股関節の痛みが起きるのでしょうか?

股関節の劣化につながるさまざまな疾患があり、その結果、痛み、可動域の制限、QOLの低下を引き起こします。股関節の軟骨が損傷したり、病気によってすり減ったりすると、股関節の骨がこすれ合うようになり、摩擦や痛み、さらには骨の劣化が生じます。軟骨がすり減ると、関節炎へと進行し、これを引き起こしている原因が変形性股関節症の場合、一般的には人工股関節置換術の適応対象と判断されることとなります。変形性関節症は、関節炎を引き起こす多くの形態の一つであり、痛みや活動レベルの制限が起きることで自覚することになります。その他の関節炎を引き起こす原因には、リウマチ性関節炎、骨壊死、外傷性関節炎などがあります。

人工股関節置換術を理解する 03 02 Hip arthritic 1

股関節の疾患について

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変形性関節症とは?

私たちの体の関節同士は、軟骨によってクッションのように支えられています。加齢に伴い、ほとんどの関節で軟骨の磨耗(変性)が起こります。変形性関節症では、骨の表面を覆う軟骨がすり減り、骨と骨が擦れあうことで痛みが生じます。

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骨壊死

骨壊死または血管壊死は、骨の一部が血液の供給を失ったときに起こります。これにより、骨細胞は壊死し、その後、破壊されます。股関節の骨壊死は、骨壊死の90%以上を占めます。主に20~40歳の男性に多くみられます。

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関節リウマチ(RA)

関節リウマチは、体の免疫システムが関節の滑膜を外から侵入してきた細菌のように攻撃することで発症します。滑液は透明で滑らかな油のような潤滑液で関節を動かしやすくしています。関節リウマチでは、股関節を動かすたびに摩擦が大きくなり、それが痛みの原因となっています。

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外傷性関節炎

外傷性関節炎は、骨折や脱臼、その他のアクシデントによる損傷によって、関節やそれを取り巻く靭帯が傷ついたときに起こります。すべての関節炎は、こわばり、腫れ、そして動きの喪失をもたらします。股関節に力を入れることが難しくなり、関節はますます腫れ上がります。時間が経つにつれ、股関節の関節炎は歩行能力に大きな影響を与える可能性があります。

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非関節炎性外傷

関節炎に加えて、外傷によって股関節を損傷した人には、人工股関節置換術が勧められることがあります。これは、転倒やその他の怪我による股関節の骨折や脱臼のが原因となる可能性があります。

人工股関節全置換術

股関節の変性や痛みの原因となる疾患は、通常、自然治癒することはありません。むしろ時間の経過とともに悪化するのが一般的です。このような理由から、医師は患者さんの運動能力とQOLを理想的に回復するために、人工股関節全置換術または人工股関節置換術を勧めるかもしれません。

人工股関節全置換術の手術は一般的に、1時間から数時間かかります。太ももの骨(大腿骨)の病的な骨頭部分は、ソケット(寛骨臼)の視野が確保できるように除去されます。ソケット(寛骨臼)は、カップと呼ばれる新しい金属製のカップを入れるために形成されます。

続いて、大腿骨にステムを装着するための準備が行われます。ステムが大腿骨に挿入されると、人工的に作られた骨頭ボールが取り付けられます。ボールがソケット部分に新たに設置されたカップに装着されたら、手術は終了です。

新しい股関節は、可能な限り自然な股関節の動きと機能を再現するように設計されています。マイクロポート社の目標はシンプルです。私たちは、患者さんが通常の活動性を取り戻し、最終的には人工股関節置換術を行ったことさえも忘れてしまうような快適な生活に戻ることを望んでいます。

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マイクロポート・オーソペディクスの人工股関節全置換術の一例

マイクロポート社は、インプラント技術と低侵襲手術技術の革新を通じて、患者さんの生活を向上させることを目的とした製品の提供に継続的に取り組んでいます。

人工股関節置換術を理解する 03 04 Hip example 1

注意事項・免責事項

手術にはリスクと回復時間が伴い、患者さんによって個人差が生じます。人工関節置換術が患者さんに適しているかどうかを判断するために、主治医に相談してください。

手術後の結果や活動レベルは個人差があり、年齢、体重、以前の活動レベルを含む多くの要因に左右されます。手術にはリスクと回復期間があり、手術を受けるべきではない方もいます。本製品および関連する処置が患者さんおよび患者さん固有の状況に適しているかどうかは、主治医のみが判断できます。メリット、リスク、起こりうる結果に関する情報については、主治医にご相談ください。